YはYpsilonのY

ドイツに関係があったりなかったりすることの記録、です。

『とと姉ちゃん』と、戦争の記録

今年の5月、日本に帰っていた時、
実家の本棚で見つけて、
一冊だけドイツに持ってきた本が。

暮しの手帳社から出版された、
『戦争中の暮しの記録』。
おそらく、祖父の持ち物だったかと。
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『暮しの手帖』という雑誌は、
熱心な読者、というわけではなかったけれど、
実家やバイト先などで目にする機会があり、
料理メインの別冊本は自分でも買ったりしていて。

その暮しの手帖社の元社長と元編集長をモデルに、
今放映中の朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が製作され。
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ドラマの中でも、戦時中の様子が描かれていて、
縫い物好きの食いしん坊としては、
布きれ一枚、野菜の切れ端ひとつも無駄にできない暮らしぶりを見て、
しみじみ、豊かな時代に生きている有難さを感じるわけで。
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ドラマの内容とシンクロするような、
『戦争中の暮しの記録』。
戦いの記録、ではなく、生活の記録。
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戦争反対、と大きな声で唱えるのではなく、
そこにあるのは、淡々とつづられる事実。
具体的なエピソードの一つ一つに心が動く。

戦争体験のない私のような人でも、
考えたらわかることってある。
食べものがなくなったら大変、とか、
買いたいものが買えなくなったらやだなあ、とか、
大切な人が死んじゃったら悲しい、とか、
家がなくなったら、大変、とか、

国と国との争いというレベルの話じゃなくても、
「こういうことをすると困る人がいるな」
「自分や家族がこんな目に遭ったらどうする」
「これを言ったら相手はどう思うか」
ちょっと想像力を働かせれば、
抑止できることが色々あると思うんだけど。

想像力のない人と
結果を想像しない行動が増えている。
だから、「なぜ」と思うような事件が起こる。

この『戦争中の暮しの記録』もそうだし、
全ての悲しいニュースは、
想像力を養う訓練になるんじゃないかなあ。
もう、そういうこと、なしにしようよって、
一人でも多くの人が考えるようになって、
きなくさい出来事、もう終わってよ。



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Comment[この記事へのコメント:]

NoTitle 

  • こうめのおねーさん 
  • URL 
  • at 2016.07.16 23:37 
  • [編集]
私もこの本を持っていますよ~
昨年にふと思い立って中古で購入しました
読むと目に見えない「怖さ」を感じて…

フランスもトルコもビックリでした
日本も思っているほど安全ではないと分かっているつもりで、やっぱり危険の実感がありません

改めて、人って怖いなと思います
最近は自分本位の人も増えてきたように感じます
私のまわりもそう、ちょっと距離をおいています
ふと立ち止まって、相手の話を聞くのって難しいのでしょうかね
色々なことが頭をめぐりますね

メガネと車とスカートは災難でしたね
いぷしろんさんがご無事でよかったです

NoTitle 

  • aka 
  • URL 
  • at 2016.07.17 02:36 
  • [編集]
なるほど、想像力ですか。
確かに憎しみによる暗い世界では、想像という行為自体が抑制されているように思います。
多かれ少なかれ、自由な想像を与えられている私達は、その力を育んでいきたいものですね。

素敵な本ですね。是非読んでみたいです。
いなごかぁ。今日も蜂の子を観察していたんだけれど、食欲が出るとは言い難いです。。。

こうめのおねーさんさん へ 

  •  Y 
  • URL 
  • at 2016.07.17 18:00 
  • [編集]
この本、初版が1968年ですけど、版を重ねて、尚多くの人に読まれていて・・・。それだけの力がある一冊ですよね。
実際に戦争を体験した人から話を聞く機会が減っていく中、本で体験談を読むだけでも、「読んだことも聞いたことも無い人」よりは想像力が働くようになるんじゃないかなあと思いました。
世界各地で繰り返される悲しい事件、その先に何があるんでしょう。
「ふと立ち止まる人」が増えてほしいですよね。

スカートは直して、車はスペアタイヤが入り、メガネは・・・片方の弦だけでかけています。意外に気づかれないものです(笑)

akaさん へ 

  •  Y 
  • URL 
  • at 2016.07.17 18:54 
  • [編集]
そうですよね。いろいろなことに考えが及んだら行動できなくなりますから、想像力は封印されてしまっているでしょう・・・。想像力さえもコントロールされる社会と同じ土俵で話をするのは難しい。

本当に読み応えがある本です。ロングセラーになっていて、読み継がれていることにも感動します。

イナゴも蜂の子も、食べ物の状態で出ていればおいしくいただくのですが、元気に活動しているお姿を見ると、うーん、確かに難しいものがあります(汗)


中国が怖い 

  • 米子 
  • URL 
  • at 2016.07.18 15:53 
  • [編集]
毎日のように日本の近くにまでやってくる
中国軍の船や戦闘機。
それらに警告するために自衛隊が出動する回数が
ものすごく増えているそうです。
中国が南沙諸島でやっていることも
国際司法の場で違法だと言われたにもかかわらず
やめようとしないですし。
そう遠くない未来に、中国軍が日本を攻撃する日が
来るように思います。
日本は国民を守るためにどう備えたらいいんでしょうね。

米子さん へ 

  •  Y 
  • URL 
  • at 2016.07.19 09:49 
  • [編集]
仮に国が国民を守る対策を講じたとしても、
攻撃してくるのは一つの相手じゃないこともありますよね。
攻撃のパターンも変えてくるでしょうし。
結局自分の身は自分で守らなければならないのかなあ、とも思います。
何かあったときに自分がどう行動できるか、どんな態度でいられるのか、考えてしまいます・・・。

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